この記事で解決できるお悩み
- プラモデルの塗装は何から始めたらいい?
- 塗料はどれくらい希釈するの?
- エアブラシの吹き方がわからない
エアブラシ塗装は缶スプレーと同じように、塗料を霧状のミストで吹き付ける塗装法です。
缶スプレーと大きく違うのは、塗料の種類や色、吹き加減を調整しながら行えるということ。
缶スプレーより表現豊かな塗装を楽しめるエアブラシ。
エアブラシ塗装を上手に行うには、器具の扱いや塗料の濃度調整、吹き加減、パーツとの距離などを把握し、使いこなすことが大切です。
本記事では、プラモデルの塗装初心者にエアブラシの基礎的な使い方について解説します。
初心者にオススメのエアブラシセット
Mr.リニアコンプレッサー L7 レギュレーター/プラチナセットエアブラシ塗装に必要な道具
エアブラシ塗装をするには、エアブラシ本体(ハンドピース)のほかにエアを吹き出す周辺器具が必要です。
エアブラシに必要な道具
- エアブラシ(ハンドピース)
- コンプレッサー
- レギュレーター(気圧計)
- 水抜き
- ホース
- ハンドピーススタンド
- 塗装ブース
エアブラシ(ハンドピース)
エアブラシ(ハンドピース)は、エアを吹き付けるための道具です。
ノズルの先端から空気を噴き出すことで、カップやボトルに入れた塗料を吸い出し、霧状のミストを塗装面に吹き付けます。
缶スプレーと異なりエア圧や吹き付ける塗料の量、吹き付け幅などを調整して塗装することができます。
コンプレッサー
エアの共有源となるコンプレッサーは、エアブラシ塗装の必需品です。
手軽に塗装を楽しめる缶スプレーは、長い目で見ればコストがかかります。
コンプレッサーとその周辺器具は一度に揃えようとすると、金額的負担から敬遠されがち。
しかし、長期的なコストやエアの安定性、表現の幅などを考えるとコンプレッサーを使った方が良いのは間違いありません。
近頃は安価で高性能なコンプレッサーも増えてきたので、ぜひ試して欲しいところです。
レギュレーター(気圧計)
レギュレーターは、エア圧を調整する器具です。
エアブラシ塗装はパーツの大きさやグラデーション塗装など送り出すエアの量を微調整することで、塗装の失敗回避や表現の幅が広がります。
水抜き
エアブラシはエアを圧縮して送り出すため、空気中に含まれた水分を取り除く必要があります。
取り除かれた水分をエアブラシで噴射しないように貯めておくのが「水抜き」です。
湿気の多い日に大活躍する周辺器具です。
ホース
エアブラシとコンプレッサーを直結して使用することはできますが、精密な塗装や安定した塗装をするならオススメできません。
また、レギュレータや水抜きをホースで繋ぐことも重要です。
エアブラシスタンド
塗装中の箸休めや塗料が残ったままでも保持できるスタンドもエアブラシ塗装には必須の周辺器具の一つです。
これ一つで作業効率が大幅に短縮されるので、使いやすいスタンドを見つけることも大切です。
塗装ブース
屋内塗装専用の換気扇である塗装ブースは、塗料の臭気やミストの拡散を防いでくれます。
構造は簡単で、電動ファンにフードを取り付けただけのもの。
フード内のファンに向かって塗装することで、ミストの拡散を防ぎ、臭気を室外へ排出してくれます。
ただし、すべての臭気やミストを室外に排出することはできないので、周囲への配慮や自分自身を守るためのゴーグルやマスクは必須です。
エアブラシと周辺器具を揃えることができたら、プラモデルに塗装することができるようになります。
塗料の濃度
エアブラシの用意ができたら、いよいよ塗装開始です。
ここで注意が必要なのが、塗料の濃度です。
プラモデルの塗料は濃度が高く、そのままでは使えません。
専用の薄め液を使い、濃度を調整する必要があります。
濃度の高い塗料を吹き付けると、ノズルの先端が塗料で詰まり故障の原因につながります。
瓶入り塗料は顔料が瓶底に溜まっているので、よく撹拌してから、薄め液で濃度を調整してから吹き付けましょう。
最適な希釈率は?
エアブラシを始めて使う人がつまづくのが、塗料の希釈です。
はじめてエアブラシを使う人は、どれくらい塗料を薄めたらいいのか?よくわからないと思います。
瓶入りの塗料は保存状態によってシンナー量が変化しているため、最適な希釈率は存在しません。
目安としては、塗料1に対して薄め液で2〜3倍に薄めて試し吹きをして様子を見ることです。
塗料の希釈率が低いと、パーツ表面がざらざらのゆず肌の原因になるので、「薄めすぎかな?」と思うぐらい薄めても平気です。
薄めすぎたら塗料を追加して調整するか、エアブラシを遠目から吹き付ければ大丈夫です。
エアブラシの吹き方のコツ
エアブラシ塗装の失敗は、エアブラシとパーツとの距離とエアブラシを動かす速さに関係してきます。
霧状のミストで広がるエアブラシ塗装は、距離で吹き幅の調整をすることができます。
距離が短いと吹き付ける幅が狭くなる=細吹きになり、距離が遠いと幅広に吹き付けることができます。
このとき重要なのが、吹き付けるエアと吹き出す塗料の量を調整することです。
エアを調整に失敗するとゆず肌やミルククラウンなどの失敗につながり、塗料の量調整に失敗すると塗料だまりや時間効率が悪くなります。
また、エアブラシはエアブラシを動かす速さによっても変わってきます。
エアブラシを動かす速さで、
同じ色のパーツはなるべく同じ条件で吹き付けるのが、エアブラシ塗装のコツの一つです。
エアブラシのトラブル対応
同じ塗料を吹いても距離やエアブラシの動かし方でミストの様子が変わり、同じような仕上がりにならないことがあります。
以下では、エアブラシ塗装でよくあるトラブルの対応方について解説します。
発色しない時の対応
プラモデル塗装の基本は、明るい色から順に塗るのが基本です。
プラモデルで使う塗料は、明るい色や鮮やかな色ほど隠蔽力が弱い傾向にあります。
隠蔽力が弱いと下地の色を透過してしまい、暗い色の上に隠蔽力の低い塗料をいくら塗り重ねても本来の色のように発色しません。
- 塗り重ねた塗料が思うように発色しない
- 暗い雰囲気のプラモデルになる
などの悩みがある人は、ホワイトで下地を作るなど工夫してみてください。
埃がついた時の対応
塗装中や乾かしている間についた埃は、ピンセットなどで取り除けるときはすぐに取ってしまうと周囲の塗料が馴染んでわかりにくくなります。
取り除けない場合は、十分に乾かしてから紙やすりなどで水研ぎして削り取りましょう。
塗膜がざらついた時の対応
塗膜がざらつく「ゆず肌」もエアブラシ塗装でよくおきるトラブルの一つです。
塗装後の触り心地がパーツごとに違うと感じたら、ゆず肌になっている可能性が高いので、紙やすりで水研ぎして塗装面を平滑にしてから、塗装面が滑らかになるように塗り直しましょう。
まとめ
エアブラシ塗装の基本について解説しました。
エアブラシ塗装は必要な機材が高額なため、いきなり始めるにはハードルが高く回避しがちです。
ただし、長い目で見るとコストや表現の幅など金額に見合う対価を十分に得ることができます。
エアブラシ塗装を始めると塗料の希釈率やエアブラシの使い方など覚えることがたくさんあります。
失敗を積み重ねながら、自由自在にエアブラシを扱えるようになるまで試行錯誤を楽しんでください。
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